桜の葉の紅葉の中でひときわ銀杏の黄色が映えています。
与謝野晶子の「金色のちひさき鳥のかたちして銀杏散るなり夕日の岡に」は大好きな歌です。
3年ほどいた茨城県の旧県庁の銀杏並木は見事でした。
黄金色に降る積もった落ち葉を、踏みしめて歩くのに夢中になりました。
「ある日、一夜にして残らず舞い落ちる」という話を何かで聞いて、もしも本当なら、その舞い落ちる様を見たいものだと思いました。
大学の建物に囲まれた中庭にも大銀杏の木が1本あって、教室への移動の際に何気なく見ていたものが、いつの間にか緑から黄金色に変わり、はっと驚く瞬間がありました。そして、華やいだ季節も限るあることを知り、寂しくもなったものです。
ともあれ、台風や気候の変動で、紅葉の状態は左右されますから、町の銀杏や桜が綺麗に色づいた年は、平穏といってもよいのではないかと思います。