4年ほど前、百田尚紀の小説「永遠の0」を、父の友人が持ってきて下さった時、父はもう本が読めない状態でした。
話題の本でしたが、父が亡くなって、しばらくは手に取る気がしませんでしたが、やっと読むことができました。
正直、ゼロ戦や航空母艦については、興味がわかず。大昔、弟が「ゼロ戦だ!戦艦大和だ!」と興奮してプラモデルを作っていたのを思い出してしまいました。
それでも、戦争や特攻隊は以前から考えることがよくありましたから、涙なしには読めませんでした。
随筆家の岡部伊都子さんは、戦争を否定する婚約者を「わたしならお国の為に死ねる」と戦争に送り出した事を生涯悔やんでおられましたが、私もあの時代に生きていたら間違いなく軍国少女であったと思います。
誰もが死にたくはなかったはずなのに、それを言えなかった時代。
以前、戦争についての街頭インタビューで、若者が「国家の為にと個人を犠牲にする国なら滅びてしまえ」と言っていましたが、まさにその通りかも知れません。
しかしそれがまかり通る時代に、命をかけて国を守ってくださった人々。
その方々の犠牲の上に今日の私達の暮らしがあることを、絶対に忘れてはならないと思います。
「いつか知覧に行きたい」と言っていた父。きっとこの本に感動したと思います。