夏祭りの季節です。
今は浴衣を着てお祭りや花火大会に出かけることもなくなりました。
若い頃に着た浴衣は友人のお嬢さんに譲りましたが、下駄だけは残してあります。
この下駄には思い出があります。
仲良しの友人が履物屋さんに嫁ぎました。
その地で夏祭りがあるというので様子見がてら遊びに行った時、お舅様が私に下駄を作ってくださいました。
今では珍しくなった桐。好きな鼻緒を選んで挿げてもらいました。
寡黙で実直な職人のお義父さん、汗びっしょりになって浴衣を着付けして下さったお義母さん。
なじみの無い土地で大家族に嫁いだ彼女でしたから心配もありました。
しかし優しい人たちに囲まれて、嫁として可愛がられている姿に心から安心したのでした。