つげの櫛

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高校生くらいの時に、雑誌かなにかで読んで、「つげの櫛」がどうしても欲しくなりました。
それを使えば、髪が綺麗になると思ったのでしょう。
今のようにどこでも手に入るものではありませんでした。
夏休み、母に頼んで、浅草の老舗のお店に一緒に買いに行きました。
老舗の小さなお店で、店主のおばあさんは、髪も短い、若い私に対して愛想良くはありませんでした。
きっと「高価なものは買わない」と思ったのでしょう。
その通り、お小遣いで買えるものを選びました。
その櫛は30年近く経った今でも使っています。
そして独特なつやをかもし出しています。
「本物を持つ」その事に適当な時はあるのだろうか?とふと思ったりします。