絵本専門店「ピッピ」のこと

pipかれこれ37年ほど前、御茶ノ水に「ピッピ」という絵本専門店がありました。
渋谷に童話屋、原宿にクレヨンハウスなど、児童書専門店が出来はじめていた頃です。
「ピッピ」は太刀川正子さんが、ガレージを改装して作った小さな可愛らしいお店でした。

児童文学に少しばかり興味のあった私は、雑誌で「ピッピ」を知り、図々しくもアルバイトをさせていただきたいとお願いに訪ねたことがありました。
その時はダメだったのですが、数か月後に太刀川さんからご連絡を頂きました。
しかし残念なことに私は入院中で、結局はご縁が無いままに終わりました。

「ピッピ」はその後、御茶ノ水から文京区茗荷谷に移り、98年に閉店したそうです。
線路沿いを歩いて「ピッピ」を探して行った秋の終わりの頃。
あの頃、太刀川さんは30代の終わりだったことが、昔の雑誌を見てわかりました。
今はどうなさっているのか…。
ほろ苦い、懐かしい思い出です。
そして絵本専門店はわたしの永遠の憧れです。