熊谷守一

kumagaya97年の生涯のうち、晩年の30年間は全く外出せず、わずか15坪の庭の自宅で小さな虫や花、猫、鳥を描き続けた熊谷守一。
鮮やかな色彩と明瞭な輪郭線。ユーモラスで楽しく、優しく、そして力強さに心を奪われます。
その油彩画は小さく、多くは約 24×33cm の四号の板に描かれているそうです。
その小さな世界に、自分のごく近くの小さな物の「いのちの輝き」があふれ出し、無限に広がる大きな世界を築き上げています。
仙人と呼ばれた風貌は温和で慈愛に満ちているように思えました。
将来を嘱望された青年画家が、こうした画風を貫いたのには、子どもの死、孤高を愛する気質と色々な理由があることでしょう。
どんな場所にいても気持ちは自由、心に翼を着けることで世界はいくようにも広がると教えてくれるようです。