映画「ルルドの泉で」

rurudo

先日「ルルドの泉で」という2009年のオーストリア、フランス、ドイツ合作映画をネットで観ました。
ルルドの泉は、1922年フランスのルルドの村で少女ベルナデッタに聖母マリアが出現し、洞窟の傍の水溜りから水が湧き出し、この水を飲んだ人々の中で病が治る人が現れ、全世界に知られるようになったキリスト教の聖地です。
巡礼者であふれるルルドの村が、観光地のように映し出される映像はとても興味深いものでした。

映画はこの地を訪れた全身麻痺の少女に奇跡が起こり、それによって巻き起こる同じ巡礼団の人々、介護の人々の驚き、戸惑い、不満、嫉妬の感情が描かれています。
そして奇跡が本当に起きたか分からないままラストを迎えます。
一見人間の本性を暴いたようにも見えますが、私には「普通の生活がしたい」という少女に対して、「普通とは何ですか?何故他の人が幸せだと分かりますか?」と説教する神父の方が胡散臭く思えました。

個々の事情や思いで巡礼をするのでしょうが、キリスト者は痛みや苦しみに向かう力を与えられることを信じて、「み旨でしたら癒される事」を願って訪れるのだと思います。
キリスト教の数々の「奇跡」の話しは、私にはさほど重要なものではありませんが、「ルルドの水」に対する気持ちは同じです。