NHKの朝の連続ドラマの「とと姉ちゃん」は雑誌『暮らしの手帖』の創設者の一人である、大橋鎮子さんがモデルだということで、にわかに注目されています。
大橋さんと言えば、「すてきなあなたに」。
中学生の時から、図書館で新刊の『暮らしの手帖』のこのページを、同じように好きな友達と読んでいました。
食いしん坊の友達は料理のレシピを書き写し、私は美しい文章と心温まるエッセイに魅せられました。
高校卒業の記念に恩師から頂いた「すてきなあなたに」の1巻は何度も読み返し、ボロボロに。最後の索引を見ただけで、エッセイの内容が分かるくらいです。
『暮らしの手帖』は隔月刊なので、数ページのエッセイをまとめた1冊の本が出来るまでには時間がかかります。
第1巻1975年、2巻1988年、3巻1994年、4巻2004年、5巻2006年。
次の発行をいつも心待ちにしていました。
しかし、2013年に大橋さんが亡くなると、私の心はぽっきりと折れてしまい、昨年(2016年)暮れに第6巻が出たことも知らずにいました。
第6巻は大橋さんが手がけた最終巻だったのです。
思えば1巻の頃はご自身の経験や取材で書かれたことが多かったエッセイも、次第に協力者の方々から伺ったりしたお話しが多くなりました。
それでも大橋さんの品格ある文章で伝えられると感動ひとしおです。
それこそ読むのがもったいなくて、毎日少しずつページをめくっています。