夏休みもあと残り一週間と少しになりました。
残った宿題に大変な思いをしている頃ではないでしょうか。
夏休みの宿題の思い出と言えば、高校生の時に倫理社会で出された課題です。
エーリッヒ・フロム『愛するということ』、ヴィクトール・フランクル『夜と霧』、マックス・ピカート『沈黙の世界』のいずれかを読んでレポートを書くというものでした。
今のようにネットで本が買える時代ではありませんでしたから、東京の書店で手に入れた時はもう夏休みの終わりに近づいた頃でした。
そしてその内容の難解なこと。その後レポートを提出できたのかも記憶にありません。
しかし学校を卒業してから、様々な場面で何度もこれらの書名を目にすることになりました。
同級生が集まると、倫理社会の授業が高度で素晴らしかった、それに当時は気がつかなかったことが話題になります。
先生は高校生に「人間を考える」ことを真剣に教えて下さっていたのです。
その時には受け入れる器が未熟すぎたと痛切に感じています。
蒔いて下さった種、遅くなりましたが、今からでも発芽させたいと思っています。