今年のイカナゴ漁の解禁は2月27日でした。
あちらこちらから、くぎ煮を炊く香りが漂って来ると「春がきたなぁ」と思います。
関西に来たばかりの時はこの風習が珍しく新鮮で、イカナゴを買い、親切に置いてあるレシピを持ち帰り、恐る恐る炊きました。
それ以来、毎年炊いていますが、まだまだ味が定まらず未熟者です。
いくつもおすそ分けを頂きますが、それぞれが微妙に違う「我が家の味」なのです。
イカナゴは日に日に大きくなります。
私は3月の始めに炊きました。写真はそれを食べ終わった頃に知人からいただいたものです。
その方は大きくなったものを炊くのが好きなのだそうです。
毎年イカナゴの値は上がりますが、それでも何キロも買い込んで炊き、親戚、知人に送る。
男前な関西のおばはん達です。
こちらに来てから一度だけ、イカナゴの香りがしない年がありました。
阪神大震災の年でした。
今、東日本の被災地でそんな思いをしている方がいらっしゃるのではないか。
故郷に漂う懐かしい香り、どうか一日も早く戻りますように。