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まぼろしの土佐紬

tumugi昨年の夏の猛暑。そして節電。
そこで思い出したのが、15年以上前にデパートの物産店で買ったもんぺパンツのことでした。
おぼろげながら四国高知の物産展だったことを思い出し、ネットで検索すると「やまももの工房」というHPにまさに探していたパンツがありました。
当時はスパッツとかステテコパンツなど無い時代でしたから、普通のTシャツと組み合わせて着ていましたが、これを今風に着たら、涼しくておしゃれだろうなと思いました。
買った当時、私はそれが土佐紬というものだと分っていませんでした。
そして残念なことにこの土佐紬はもう生産されていなかったのです。
やまもも工房でも既に商品は販売していませんでした。
土佐紬とは、数種類の染料で染めた木綿糸を織った土佐の工芸品です。
戦後間もない頃には高知県内にも多数の織物工場があり、庶民の衣類として着物やモンペを生産していました。
しかしついに数年前に最後の1件の織物工場が無くなってしまったそうです。
後継者が無いということもありますが、工房の方から「衣類の量販店の進出も原因」と伺いました。
色合いが絶妙で、木綿の肌さわりが心地良く、本当に素晴らしいものであっただけに残念です。
またいつかどこかで土佐紬に出会える日を待ち望んでいます。

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倉島真理さんのこと

kurasima1970年から80年代にかけて雑誌『私の部屋』で最初はソネ真理というお名前でエッセイを書いていらした倉島真理さん。
画家の宇野亜喜良さんと結婚なさっていたことがあると知ったのは最近です。
私がエッセイを読んでいた頃には、二人の子供さんを育てながら、子供服のブランドを持っていらっしゃいました。
歯切れのよい、飾らない文と、独特な魅力を持つイラスト。横浜に住んでいらしたようで、当時、真理さんの文章を読むと外国の方のお家と暮らしをのぞくようでした。
香水、バラ、猫、お洋服、旅…、語られることの中に真理さんの美意識が散りばめられ、それに触発されたものでした。今読み返しても、とても新鮮です。
読んでいた頃は学生でしたから、おしゃれなことばかりに関心がわきましたが、改めて読んでみると、仕事を持つシングルマザーの忙しい日々が子供への愛にあふれているのを感じました。
女性として美しく、おしゃれに、そして母として強く、温かかった真理さん、どうぞお元気で。

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ビスコッティ

biscoty今年のゴールデンウィークは家人が10日間もお休みで、返って生活のリズムがくるってしまいました。
疲れもたまり、したいこともしなければならない事もはかどらない毎日でしたが、やっとリズムが戻りつつあります。
久しぶりになかしましほさんのレシピでビスコッティを作ってみました。
ビスコッティは「二度焼いた」という意味を持つイタリアの郷土菓子だそうですが、まさに今年3月にイタリアに行った友人にお土産のおすそ分けでいただきました。
現地で食べた時はもう少し柔らかかったらしいのですが、とても硬くて、あまり美味しいとは言えませんでした。
でもなかしほさんのアレンジのビスコッティは食べやすく美味しく出来ました。
お菓子作りは気持ちや身体に余裕がなければ出来ませんから、いつもそうでありたいものです。

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多崎つくる君

haruki最新作『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』。久しぶりに村上春樹の世界を堪能しました。
16年前に友人グループから一方的に決別された主人公が、自らその真相を究明し向かい合わなければ前に進めない事を理解し、巡礼のように昔の友人たちを訪ねます。
理不尽な出来事に対して、他者への怒りより、自分に原因あるのではないかと内省に向う姿が痛々しく感じました。
色彩を持たないイコールどんな色でも受け入れ、受け入られることを本人は気がつきません。
しかしそれこそが、フィリップ・マウロウの「強くなくては生きられない、優しくなくては生きる資格がない」を地で行く村上春樹の描くナイスガイの主人公です。

自分に自信を持つ、自分を大切にする、その上で自己を客観視する、三つのバランスをとることは至難の技です。
昔読んだ銀色夏生さんのエッセイに「相手の中に静かな湖があるか無いかを見る」という文があったのを思い出します。
静かな湖とは、自分自身の考え、感情、行動を見つめる冷静さではないかと思います。
そして、私もその湖のある人に心魅かれ安心するひとりです。
(絵はエンネル、ジャン=ジャック「ニンフ」)

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若葉のころ

diary連休に実家に置いたままの古い私物を片付けました。
その中に中学から高校までの自分の日記帳と友達との交換日記や手紙を見つけ持ち帰りました。
読み返すと、何の責任を負うことが無く、自由で楽しいことばかりだったと思っていた時期に、友達関係、自分の性格、将来について日々悩み考えていたのだと分り、改めて多感な頃を懐かしく思い出しました。
今はすっかり大人になり、人間関係も、物事の受け止め方もどこか要領ばかりよくなっているようで、あの頃の真面目さがすがすがしく、いとおしくもなりました。
幸いその頃の友達との交流は今もずっと続いており、私にとっての宝物です。
その中でたったひとり、遠くへいった人がいます。
帰省の途中で、その友のお墓にもお参りしました。
彼女を守るように立つ大木の新緑の葉が風に揺れていました。
今年の連休はあの頃に流行った、ビー・ジーズの「若葉のころ」が聞こえてくるような時間を過ごしました。

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幸福度

happy新聞に『世界しあわせ紀行』エリック・ワイナー著の書評が載っており、本を読んだわけでもないのに、これだけでとても興味がわきました。
本の内容は、ジャーナリストの著者が「幸福度が高い」と言われる国を巡って、そこに暮らす人の話を聞き、表情を観察し、心の奥にあるものを探り当てるというものです。
その結果、スイスでは幸福と嫉妬の関係を意識して、幸福を損ねる嫉妬を押さえ込んでいる。
アイスランドは失敗に対して寛容である。
ブータンは仏教の教えで人々は和やかな表情をしている。
反してGDPが高く幸福度が高いはずのカタール。石油の輸出で一躍裕福になったが、歴史とのつながりが欠けており、歴史の時間軸の中でのアイデンティティを欠く人々の表情は暗い。
なるほど思い当たることもあります。是非読んでみたいと思います。

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